★★★ 高尿酸血症・痛風の食事療法 ★★★
痛風は、かつては、ごく一部の裕福な人だけがなる”ぜいたく病”と呼ばれたこともありました。
ところが1960年代以降、日本の痛風患者数は激増しました。
食生活が欧米化し、高たんぱく・高エネルギーの食事が普及したことが、
痛風患者の増加を招いたのです。
このように、食生活と痛風は深くかかわっています。
逆に言えば、痛風のもととなる食事療法で食生活を改善すれば、痛風をコントロールし、
発作や合併症を防ぐことも十分に可能です。
「高尿酸血症」と診断された場合、合併症や他の生活習慣病がなく、尿酸値が8mg/dl未満であれば、
まずは、薬を使わずに、生活習慣の改善、特に食事療法が勧められます。
食生活を変えるだけで、尿酸値をコントロールできている痛風患者もたくさんいます。
●上階層項目:
『生活療法』
◆◆◆ 食事療法のポイント@ ◆◆◆
▼多量のプリン体を頻繁に摂らない
「プリン体」が、尿酸の元になることはよく知られています。
まずは食事からのプリン体摂取を減らそうと考える人も多いでしょう。
しかし、健康な人の場合、食事で摂ったプリン体から作られる尿酸の量は、
体内の尿酸の量全体の20%程度に過ぎません。どんなに食べ物からのプリン体の摂取量を減らしても、
体内の尿酸がゼロになることはありません。
そこで、プリン体をまったく摂らないのではなく、食事で摂るプリン体を適量の範囲内に収める
ことを目標にします。1日のプリン体の総摂取量を400mgとし、その範囲内で献立を組むのです。
プリン体を多く含む食品を極端に控えたりすると、かえって栄養のバランスが崩れ、
体に悪影響を及ぼすこともありますし、長続きしません。
1回に食べる量や頻度などを考えて、いろいろな食品を摂るように心掛けてください。
プリン体を多く含む食品も、無理に我慢するのではなく、「一月に1回までにする」
「他の献立をプリン体の少ないものにする」などの工夫をして、食生活の改善を長続きさせましょう。
【関連項目】:『プリン体』
◆◆◆ 食事療法のポイントA ◆◆◆
▼尿をアルカリ性に傾ける食品を積極的に摂る
プリン体とは逆に、たくさん摂った方がよいものもあります。
それが「尿をアルカリ性に傾ける食品」です。高尿酸血症や痛風の患者の尿は、
尿酸が多いために酸性になりがちで、結晶化しやすい状態になっています。
尿をアルカリ化することで、尿酸が溶けやすくなり、排泄も促されて、痛風や「尿路結石」
の予防につながるのです。
【尿をアルカリ化する主な食品】
ひじき、わかめ、大豆、昆布、干ししいたけ、サツマイモ、人参、ごぼう、ほうれん草
尿の酸性度がどのくらいかは、市販のph試験紙を使って、手軽にチェックできます。
phの値は、6〜7くらいが理想的です。日常的にphを調べることで、毎日の食生活の改善にも
やりがいが出てくるでしょう。
◆◆◆ その他のポイント ◆◆◆
▼お茶、水をたくさん飲む
尿酸は尿から排泄されます。つまり、尿が多ければ、それだけ多くの尿酸が排泄されやすくなります。
通常、大人が1日に排泄する尿量は1リットル程度ですが、高尿酸血症の人は尿量が2リットル
くらいになるよう、水分を多めに摂ってください。
なお、水分はお茶か水で摂りましょう。ジュースやスポーツドリンクは糖分が多く、
エネルギーの摂りすぎになりがちです。また、アルコール飲料で水分を補うのは逆効果です。
▼お酒は控える
ビールに限らず、お酒は控えめにしましょう。アルコールは、肝臓で分解される際に
尿酸を作り出す上に、腎臓からの尿酸の排出も妨げます。
そのうえ、お酒を飲みすぎると、結果的に脱水を招き、尿酸値を上げてしまいます。
アルコールは、高尿酸血症や痛風には大敵です。
▼食事のエネルギー量を適切にする
高尿酸血症患者は、太り気味の人が多いので、食事全体のエネルギー量に注意してください。
肥満がある人はBMI22を目標に、1日の摂取エネルギー量を1600kcal程度に抑えましょう。
肥満がない人は1800kcal程度を目標にします。
なお、減量はあせってはいけません。急激に体重を減らすと、かえって尿酸値が上がりやすく、
痛風発作を引き起こすことがあります。
▼バランスのよい食事を美味しく食べる
食生活の改善は治療のためだけでなく、健康維持にも欠かせないものです。
栄養バランスに気を付け、ゆっくりとよくかんで食べてください。
食生活の改善を長続きさせるためには、おいしく食べることも大切です。
エネルギーや食事の内容に制限があっても、献立のバリエーションを増やしたり、
盛り付けを工夫したりして、食事の楽しみを減らさないように心がけましょう。
▼夕食は軽く、早い時間に
1日の食事のうち、最も量が多いのは夕食という人が多いのですが、
健康維持のためには、あまり望ましくありません。
コレステロールや中性脂肪は主に、夜寝ている間に合成されます。
夕食に高脂質のものを多く摂ると、その分コレステロールや中性脂肪が体内にたくさん
蓄えられてしまいます。高尿酸血症の人の約半数は高脂血症を伴っているといわれますから、
十分注意しなくてはいけません。
健康のためには、適切な摂取エネルギー量を守り、そのなかで朝食や昼食を多めに、
夕食は軽くかつ早い時間に済ませるのが理想的です。
●関連項目
- 【参考】
- NHK 『きょうの健康』 2007.1月号
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